四月の常例法座。
今年のテーマは落語の中の仏教。
第3回は古典落語『宗論』を取り上げました。
![a-IMG_5965](https://jikoji-blog.com/wp-content/uploads/2013/05/a-IMG_5965.jpg)
狂言でも取り上げられているこの演目。
もとは 法華宗と浄土宗の論争がモチーフ。
それが大正時代に
浄土真宗とキリスト教のネタに作り直されたとか。
落語の中でも小ネタ(あまり長くないもの)の部類に入るので
今回は大判振る舞い~っと、
同じ演目を二人の演者で楽しんでもらうことにしました。
一人は春風亭小朝師匠の弟子、
五明樓 玉の輔(ごめいろう たまのすけ)師匠。
![a-IMG_5967](https://jikoji-blog.com/wp-content/uploads/2013/05/a-IMG_5967.jpg)
もう一人は三遊亭好楽師匠の弟子、三遊亭兼好師匠。
どちらもまだ四十代と若さ溢れる高座に期待しました。
![a-IMG_5988](https://jikoji-blog.com/wp-content/uploads/2013/05/a-IMG_5988.jpg)
落語の世界には
「演者が“さげる”と客が“おちる”」
という言葉があるそうです。
最後のしめを
「さげ」とか「おち」というのは
そういう意味だったんですね。
二人の演者のサゲとオチがどう違うのか見所です。
さて、宗論という言葉、
一般の人には馴染みの薄いものでしょう。
本来の意味は
「教義の異なる宗派の間で、その優劣、真偽などが論争されること」
を意味します。
この落語では
浄土真宗を信仰する店の主人と
キリスト教を信じる若旦那との間に繰り広げられる
論争を滑稽に語っています。
![a-IMG_5983](https://jikoji-blog.com/wp-content/uploads/2013/05/a-IMG_5983.jpg)
![a-IMG_5982](https://jikoji-blog.com/wp-content/uploads/2013/05/a-IMG_5982.jpg)
(120インチのスクリーンでの落語上映会の様子)
なんといってもこの落語で有名な台詞は
「宗論はどちらが負けても釈迦の恥」でしょう。
![a-IMG_5977](https://jikoji-blog.com/wp-content/uploads/2013/05/a-IMG_5977.jpg)
互いに信じる宗教に固執している様を
見事に笑い飛ばす 落語の智慧は、きもちのいいものです。
自分の信じる宗教に相手を取り込むために
その真偽や優劣を競っても
所詮、御縁が熟さなければ その宗教には出会えません!
ということでしょうか。
「つくべき縁あればともない
はなるべき縁あればはなる」
という『歎異抄』のお言葉を みなで味わって、
常例法座を終えました。
次回はどんな古典落語が登場するか?お楽しみに (^o^)
※第4回は5月28日(火)13:30からです
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