北九州市八幡東区宮の町にある蓮の寺、浄土真宗本願寺派 廣照山 慈光寺の光慈くんのブログです。

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第八回落語の中の仏教

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今年の常例法座は

落語を題材にして仏教を学ぼうという企み。

八回目となる「落語の中の仏教」。

今回は

江戸落語と上方落語

の聞き比べ。

共通する演目名は「問答」。

 

a-DSC01795

 

本家は江戸落語「こんにゃく問答」

それを上方が取り入れて「餅屋問答」に。

関東はこんにゃくの産地。

特に群馬県は突出しているそうです。

a-003aこんにゃく芋

 

関西では蒟蒻屋というものはほとんど存在せず。

だから上方にうつったら

落語にもよく登場する餅をキーワードに

餅屋問答に変更したとか。

今回はまずは 上方の餅屋問答から鑑賞することに。

予備知識なしていきなり見てもらおうという方法をとりました。

 

a-003桂出丸

 

演者は桂ざこばの弟子 桂出丸

見終わった後、

落語の中に登場する仏教の世界を解説。

まずは問答。

一般の人には問答という言葉はなじみが薄いはず。

a-007禅問答

禅問答という修行があったことを解説。

落語に出てくる問答に

a-008松風

さて松の木か風か、音をたてている正体は如何?

なんていう問答がでてきますが・・・。

 日常の私たちの思考回路を否定する方向へともっていこうとする問答。

分別と無分別のお説法ということを紹介。

有名なのは

a-009隻手音声

片手で音を出せ!というやつ。

そういえば京都で仏教を学んだ頃、

先生がこんなことおっしゃっていました

座って走れ! 黙ってしゃべろ!

さてみなさんだったらどうする?と。

まさに 日常の思考体系を揺さぶる

禅問答ですな~。

今回の蒟蒻問答は禅寺が舞台。

禅宗のお寺の山門には戒壇石というものが立っているらしい。

 

a-010戒壇石

 

この石に刻まれた文字

 

a-011葷酒

 

葷とはニラとかニンニクなどの野菜のこと。

においがきついもの。

それが精力剤になるので

仏道修行にふさわしくないから

お断りということらしい。

お酒はもちろん修行には御法度。

そんな中で

お酒のことを「般若湯」という言葉でごまかして

楽しんでいた僧侶の悪智恵は見事ですけど・・・。

この落語には

十方世界、五戒、弥陀三尊などの専門用語も登場。

 

a-014十方世界

a-015五戒

 

a-016弥陀三尊

 

同じ三尊でもいろいろあります~ ということも説明。

 

a-018釈迦三尊

 

a-017薬師三尊

 

そんな解説が終了してから 茶菓タイム。

そして本家の蒟蒻問答を鑑賞。

今回の演者は三遊亭小遊三師匠

 

a-004小遊三

 

笑点でおなじみの方。

 

a-005笑点

江戸と上方の違いも楽しみながら

禅問答ネタの古典落語を堪能した仏縁となりました (^^)

最後に恒例の誕生会

今月はお二方。

総代の Z氏 と 婦人会役員の Kさん

坊守から記念品を贈呈して 会座を閉じました。

 

a-DSC01801

 

記念品はもちろん 「光慈くんマグカップ」

 

a-kouzikun

 

来月がこの企画の最終回。是非ご参加くださ~い <(_ _)>

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落語の中の仏教「天災」

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第七回「落語の中の仏教」。

今回の演者は桂吉朝

 

a-003吉朝紹介

 

将来の桂一門を背負う逸材といわれながら早逝した落語家。

米朝一門の事実上の止め名である名跡「桂米團治」を継ぐことになっていたといいます。

一方、米朝は息子の小米朝が継承のはずだったのが

吉朝が亡くなったため、

小米朝が五代目「桂米團治」を継ぐことに。

それほどの実力者。

今回の演目は「天災」

 

a-002桂きっちょう天災

実はこの演目、人間国宝、柳家小さん が得意としたネタ。

もともと江戸の落語ネタだったものを

吉朝師匠が上方風にアレンジしたとか。

いま、上方でこれを演れる人、いるのかなぁ~。

母親にまで手をあげる喧嘩好きな男が

心学の先生から

「なにごとも天災と思えば腹も立たぬ」

と戒められ

長屋の夫婦喧嘩を収めようとする話。

最後は地口落ちで下げ(天災でなく前妻で…)。

さて

落語には

ことわざや慣用句がよく登場します・・・。

今回もいろいろと登場しました。

 

a-004ことわざ

 

親孝行の慣用句。

最後の

「さりとて石に布団はきせられぬ」

なんて なかなかおもしろい表現と思いませんか。

 

a-005親孝行

 

 

a-006やなぎ

 

堪忍するのを柳のたとえで

うまく諭す落語の中の先生。

 

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堪忍袋を胸にかけろ!との誡めも

落語で聞けば ぐっとくる内容に。

なんでもかんでも なにかのせいにして

腹を立てるこの男。

そこがポイント。

『おてらくご』の作者、釈徹宗師によれば

この落語は 原因帰属理論 を説明するのに

ちょうどいいとか。

釈氏によれば人間は不安になったとき原因を知りたがるそうです。

原因をみつければ安心できるのが人間の性質だとか。

以下、釈氏の説明をどうぞ。

 

「何かの原因を、周囲や社会や環境に帰属する(求める)ことを

外的帰属といいます。

これに対して自分自身の性格や能力に帰属するのは

内的帰属です。

何かの現象をきちんと原因帰属させるのは

生活上の適応能力です。

でも中には帰属の失敗を繰り返す人もいます。

失敗は外的に帰属して(例:人のせい)、

成功は内的に帰属する(例:自分の手柄)なんて人もいます。

これでは具合が悪いですよね。

さて不幸の原因を霊や祟りへと帰属させる人もいます。

そして浄土真宗がその回路を避けることは

よく知られているようです。

ただ、霊や祟りの問題を

すべての人が納得できるように否定することはできません。

霊や祟りを信じる道もあるでしょう。

しかしそれは私には関係ありませんという道を歩むのが

浄土真宗の生き方だと思います」(『浄土真宗はじめの一歩』より)

 

 

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 今回の「落語の中の仏教」では、釈氏が紹介した原因帰属理論を紹介。

 

a-008原因帰属

第三の「宗教的帰属」として

「お陰さん」や「観音菩薩の化身」、そして「ご縁ですね」

などを説明しました。

これが講座のキモとなりました。

 

a-009ご縁ですね

 

やはり 釈氏がいうように

落語と仏教は縁が深いですネ。

次回もお楽しみにどうぞ~ (^_-)

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七月の「落語の中の仏教」

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今月の古典落語は

「八五郎坊主」と「万金丹」

僧侶の名前をいただくネタの「八五郎坊主」。

即席坊主が無茶な戒名をつける「万金丹」。

この古典落語をネタに

法名や戒名について学ぶ御縁を参加者と結びました。

八五郎坊主。上方の天才落語家、枝雀の登場です。

 

002枝雀写真

 

 

あいからわずパワフルな高座でした (^o^)

先月の浄土真宗講座で話題になった

ネコもシャクシも という言葉。

本来は「禰宜も釈氏も」という言葉だったことを学びました。

では 釈氏とは??

そのつながりで 

今回の落語は 仏弟子の名告りである「釈」を話題にしたのでした。

 

007戒名構成

 

他の宗派との違いなどを上の資料をつかって説明しましたが・・・

ほんまに様々な問題や課題があり、説明は触り程度で勘弁いただきました。

名前を変えるということ。この意味を考えましょう!ということをまずはお伝えしたかった今回。

 

008改名文化

 

浄土真宗講座で もっと学びを深めたく思っております。

釈道安のことも この際 しっかり学びたく・・・!

 

006釈道安

 

八五郎坊主には 周利槃特のお話も登場。

 

010しゅりはんどく

 

茗荷の話も紹介しました。

 

011みょうが

 

それから 周利槃特といえば 掃除。

世界の掃除事情もちょっと紹介。

 

014掃除事情

 

 

あまり知られていませんが、

赤塚不二夫のレレレのおじさん

周利槃特がモデルとか。

 

013レレレ

 

 

これには参詣者もビックリ・・・でした。

最後は古典落語「万金丹」を堪能。

演者は柳家三三師匠。

三十代の若さ。これから嘱望される話家の一人です

 

015柳家さんざ

 

万金丹といえば

 

016鼻くそ

 

 

このフレーズが蘇ります。

柳家小さん師匠も得意なネタだったとか。

音声は残っているようですが

映像はまだ見つけておりません。

是非、探し出して見てみたいものです。

八月は常例はお休みします。

九月にまた「古典落語の中の仏教」を楽しみましょう!

 

0179来月も

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