北九州市八幡東区宮の町にある蓮の寺、浄土真宗本願寺派 廣照山 慈光寺の光慈くんのブログです。

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常例法座 「錦の袈裟」

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第五回「落語の中の仏教」。

 

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今回は「錦の袈裟」を取り上げました。

 

a-003錦の袈裟

 

演者は 現・落語協会会長の柳家小三治師匠。

a-002小三治

師匠三〇代の頃の高座です。若いなぁ~

 

a-IMG_8782

 

しかし、十七人抜きで真打ち昇進した実力は本物。

主人公の「与太郎」「かかぁ」のかけあいはサスガ!

会場は笑いの渦となりました。

この落語。「袈裟」の知識が少しあると

笑いも倍増します。

そこで鑑賞前に 袈裟のマメ知識を披露しました。

落語の中では「袈裟輪」(けさわ)といわれるもの。

袈裟の威儀を結ぶ穴のことです。

(七条袈裟には輪っかがついております)

実はこれが笑いネタの張本人なんですヨ。

a-006袈裟輪

 

a-DSC00933

 

少し下ネタも 入っているこの落語。

ある人から「袈裟の品位が下がる」とのご批判も…。

まあ、それはそれで許してもらって 

後半は袈裟のレクチャーに。

今回は 百聞は一見に如かず で 実演もやりました。

 

a-IMG_8791

 

袈裟のつけ方には伝統的に二つあること。

 

a-010通肩

 

七条袈裟と五條袈裟の見分け方や

形のもととなった福田思想について等をレクチャー。

 

a-011福田七条五条

法衣の種類や袈裟着用のTPOなども披露。

 

a-IMG_8788

 

余談として

「袈裟斬り」の由来、

「袈裟雄」(けさお)という命名と

「臍の緒」との関係などを紹介しました。

 

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今回ははじめから五條袈裟をつけての法話。

途中で七条袈裟を着用してレクチュアーを続けました。

こんな形で袈裟について学ぶのも 

我ながら「よき企画」だったと自画自賛気味。

いつもより多い五十名近くの参拝者の皆さんと一緒に

「錦の袈裟」を堪能した 今回の落語会?となりました。

来月もどうぞ~!!!

 

a-DSC00931

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五月常例法座「山号寺号」

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第四回「落語の中の仏教」

今回の古典落語は「山号寺号」です。

お寺には山号というものがつきもの。

それをネタにつくられた古典落語。

今回の演者は 柳亭市馬 師匠。

a-003柳亭市馬

落語家初の人間国宝・柳家小さんの弟子。

いま落語協会副会長の地位にある実力者です。

師匠によれば

落語の世界では

「一に落ち、二には弁舌、三に仕方」というそうです。

その「落ち」にも様々な種類があるとか。

地口落ち、いわゆる言葉遊びの落ち。

古典落語では「錦の袈裟」が代表。

今朝は帰さぬ いや袈裟は返して~ という奴です。

山号寺号は 拍子落ち という部類だそうです。

調子よく話が進んで終わるカテゴリー。

さて、ネタバレですが 山号寺号のさげはこうなっております…。

さんざん金をまきあげられた若旦那。

「一目散 随徳寺」

太鼓持ちが

「南無三 仕損じ」。

(そこまでの流れは実際に見ていただいて……)

随徳寺という言い回しや、南無三宝のなど、

モロに仏教テイスト炸裂ですね~。

今回はこの落語から

「山号」を通じて 仏教 を味わってみました。

まずは 自坊の慈光寺。

ご参詣の皆さんにお尋ねを?

慈光寺の山号は何?

「こうしょうざん」…

お見事。そうです。廣照山慈光寺が正解。

さすが篤信者?ぞろいの慈光寺門徒。

では本願寺の山号は?何 ~ (-_-)

 

a-009本願寺の山号は?

 数人からご返事が…。リュウコク山でしょうか?

お見事!!!!

では リュウコクっていう名前の由来はご存じ??

さすがにこれには無返答のみなさん。

 実は 親鸞様が荼毘にふされた場所である東山の「おおたに」。

漢字で表記すると こうなります。

 

a-011りゅうこく 

 

この字を分解して「龍谷」とし、それを本願寺の山号に用いたとか。

 さて、山号について。

もともと中国に仏教が伝わってから 山号という概念が生まれたそうです。

その中でも特に有名なのは 五台山

 

a-014a五台山地図

 

その五台山から

日本 天台座主第三世 円仁 が 

後善導とまでいわれた

高徳の「法照禅師」の「五会念仏」を日本に伝えたのは有名な話。

法照禅師は親鸞さまも大切におもっておられたお方の一人です。

常例法座後半は、

本願寺に伝わる「五会念仏作法」の中から

「念仏」を 声明という形で

お聞きいただいくことにしました。

(但し、慈光寺住職の声明力は限りなく微弱…)

千年以上前に 山号の原点となった「五台山」から伝わった「五会念仏」。

慈覚大師円仁 師のご苦労なければ 

    本日の「山号寺号」の落語も聞けなかったのです~。

しばし悠久の時間の流れの中で 落語を見直すことのできた今回の仏縁となりました。

 

a-018音階

 

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落語の中の仏教 『宗論』

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四月の常例法座。

今年のテーマは落語の中の仏教。

第3回は古典落語『宗論』を取り上げました。

 

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狂言でも取り上げられているこの演目。

もとは 法華宗と浄土宗の論争がモチーフ。

それが大正時代に

浄土真宗とキリスト教のネタに作り直されたとか。

落語の中でも小ネタ(あまり長くないもの)の部類に入るので

今回は大判振る舞い~っと、

同じ演目を二人の演者で楽しんでもらうことにしました。

一人は春風亭小朝師匠の弟子、

五明樓 玉の輔(ごめいろう たまのすけ)師匠。

 

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もう一人は三遊亭好楽師匠の弟子、三遊亭兼好師匠。

どちらもまだ四十代と若さ溢れる高座に期待しました。

 

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落語の世界には

「演者が“さげる”と客が“おちる”」

という言葉があるそうです。

最後のしめを

さげ」とか「おち」というのは

そういう意味だったんですね。

二人の演者のサゲとオチがどう違うのか見所です。

 

さて、宗論という言葉、

一般の人には馴染みの薄いものでしょう。

本来の意味は

「教義の異なる宗派の間で、その優劣、真偽などが論争されること」

を意味します。

この落語では

浄土真宗を信仰する店の主人と

キリスト教を信じる若旦那との間に繰り広げられる

論争を滑稽に語っています。

 

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 (120インチのスクリーンでの落語上映会の様子)

 

なんといってもこの落語で有名な台詞は

「宗論はどちらが負けても釈迦の恥」でしょう。

 

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互いに信じる宗教に固執している様を

見事に笑い飛ばす 落語の智慧は、きもちのいいものです。

自分の信じる宗教に相手を取り込むために

その真偽や優劣を競っても

所詮、御縁が熟さなければ その宗教には出会えません!

ということでしょうか。

「つくべき縁あればともない

 はなるべき縁あればはなる」

という『歎異抄』のお言葉を みなで味わって、

常例法座を終えました。

次回はどんな古典落語が登場するか?お楽しみに (^o^)

※第4回は5月28日(火)13:30からです

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